令和6年度 やよいがおか鹿毛病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 21 33 36 50 83 128 297 376 237
当院には、急性期病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟と4つの異なる機能を持った病棟があります。患者さんの入院時の状態や退院後の環境を考え、患者さんにとって最適な病棟を入院時から選択しております。
今回集計している患者数は、急性期病棟に入院した患者数になり、全患者数ではありません。各診療科、他の症例につきましては説明文書の中に記載しております。

1つ目の指標は年齢階級別の患者数になります。対象期間の対象患者を集計しています(年齢は入院時の満年齢)。
全体の入院患者数に対する各年齢階級別患者数の割合に、大きな変動は毎年見られません。
80歳代の患者さんが一番多く、80歳以上の高齢の患者さんが全体の約半数を占め、70歳以上の患者さんとなると7割5分にもなり、この地域の特色と考えます。
この年代に多く見られる入院の原因は、肺炎や尿路感染、胸椎・腰椎の骨折、大腿骨の骨折等で、高齢者に多い疾患が当院でも見られました。

また、在宅医療を受けている方のご家族から、さまざまな理由で在宅での療養が困難となる状況時の入院相談も随時受けております。

一方、10~20歳代は整形外科での入院が約半数を占めます。スポーツ活動中の骨折や靭帯損傷、疼痛などの不調がある場合等、その疾患部位の専門医、専門のリハビリスタッフにより総合的に治療をしています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎および腰椎の骨折 81 66.96 19.16 0.41% 89.00
160800xx02xxxx 大腿骨の骨折(手術あり) 72 71.29 25.29 0.99% 83.40
070230xx01xxxx 膝関節症(人工関節置換術) 23 61.87 21.38 0 78.30
070230xx97xxxx 膝関節症の術後(抜釘術) 20 10.05 6.56 0 65.60
160760xx01xxxx 前腕の骨折(手術あり) 18 21.83 5.95 0.08% 73.94
整形外科の上位2つは高齢者の転倒により生じる、胸椎や腰椎(背骨)の骨折(圧迫骨折)、大腿骨の骨折でした。
胸椎や腰椎の圧迫骨折は、コルセットを作製し、保存的な治療を行ないます。また、大腿骨の骨折では多くの方が手術を受け、術後はリハビリを行い、歩行ができるようになって退院される方がほとんどです。
当院には回復期リハビリテーション病棟があり、発症から手術、リハビリ、退院まで、転院せずに行うことができます。
今年度3番目4番目に多い疾患は、膝関節の疾患になります。変形により生じる膝の機能障害や痛みに対する治療になり、状態によってさまざまな治療方法を専門医が提案をさせていただいています。
※当院の平均在院日数は、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟までの一連の入院の平均在院日数となっています。
※整形外科の手術に関しては、下記にあります「6.診療科別主要手術別患者数等」をご参照ください。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 尿路感染症、急性腎盂腎炎 25 23.88 13.66 0.33% 89.00
0400802499x0xx 肺炎 15 30.00 16.40 0.41% 87.80
100380xxxxxxxx 脱水症 14 32.21 10.26 0.08% 72.50
100393xx99xxxx 電解質異常 - - 9.83 - -
13006xx97x00x 骨髄異形成症候群(輸血目的) - - 15.01 - -
泌尿器科の1番多い疾患は尿路の感染症でした。尿路の感染症は、膀胱炎で入院治療する方はいませんが、腎臓までに炎症がおよぶと腎盂腎炎となり高い熱と腎機能の低下を来たすため、入院治療が必要になります。治療は抗生剤の点滴と安静が主になります。
肺炎や救急車で搬送された脱水症の患者さんも多く診療を行っていました。施設に入所されている方の入院がこの診療科は多く入院されていました。
※当院の平均在院日数は、急性期病棟から地域包括ケア病棟、療養病棟までの平均在院日数となっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 18 26.83 20.78 0.99% 91.50
0400802499x0xx 肺炎 15 17.27 16.40 0.41% 87.80
040110xxxx00xx 間質性肺炎 - - 18.68 - -
0400802299x000 肺炎 - - 8.13 - -
0400802299x001 肺炎 - - 9.71 - -
当院の呼吸器内科では、肺炎(誤嚥性肺炎含む)の患者さんが多くなっています。施設からの入院も多くなっております。
今回は急性期病棟入院の患者さんの集計結果ですが、その他にも、悪性疾患、間質性肺炎、急性肺炎や在宅医療を行っている患者さんの急性増悪時の受け入れなども行っており、患者さんの状況や環境に応じて適切な病棟への入院をご案内しております。

気管支鏡検査も始めました。結果から肺や気管支の病気の診断、治療法を決定します。
気管支鏡検査は口または鼻から直径6mmの細長いカメラを入れて咽頭・喉頭・声帯・気管・気管支などの観察を行います。組織や細胞を少量採取する事もあります。検査中は声は出せませんが、呼吸は普通に出来ますので心配はいりません。

呼吸器疾患の患者さんは、在宅での生活に向け、急性期治療が終わった後は地域包括ケア病棟に移動し、退院後の生活の調整を相談員と一緒に行いながら、リハビリを行って退院される方も多くいます。また、患者さんの状態により、当院の療養病棟のご提案も行っています。
常勤・非常勤医師の体制で、多くの幅広い疾患の入院患者さんの対応が可能となっています。呼吸器専門外来も毎日行なっております。
※当院の平均在院日数は、急性期病棟から地域包括ケア病棟、療養病棟までの平均在院日数となっています。
※肺炎の件数につきましては、下記にあります「4.成人市中肺炎の重症度別患者数等」をご参照ください。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞(エダラボン、リハビリあり) 15 37.27 16.89 0.16% 78.20
010060xx99x20x 脳梗塞(リハビリあり) 10 66.70 16.94 0.25% 86.33
160100xx97x00x 頭部外傷(手術あり) - - 9.83 - -
010040x099000x 慢性硬膜下血腫 - - 18.68 - -
160100xx99x00x 頭部外傷(手術なし) - - 7.99 - -
脳神経外科で多い疾患は脳梗塞になります。うまく話せない、片方の手足が動かしにくい、しびれる、いつもと様子が違う、などの訴えで外来受診される方や救急車を呼ばれる方が多いです。脳梗塞の原因はさまざまですが、入院後、年齢や症状に合わせた治療を行い、早期にリハビリを開始していきます。当院は回復期リハビリテーション病棟を設けており、発症から退院まで、転院せずに当院で行うことができます。

当院の脳神経外科では新しく脳波の検査も始めました。脳波検査では、脳の活動がわかります。てんかん、睡眠障害、脳血管障害、脳腫瘍、代謝性障害や中枢神経感染症、意識障害など多くの脳機能障害の診断・鑑別及び治療効果判定に用いられます。

※当院の平均在院日数は、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟までの平均在院日数となっています。
※脳梗塞の件数につきましては、下記にあります「5.脳梗塞の患者数等」をご覧ください。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx970xxx 軟部腫瘍(良性) 19 4.74 4.65 0 51.21
080010xxxx0xxx 蜂窩織炎 11 8.18 12.98 0 57.82
0400802499x0xx 肺炎 - - 16.40 - -
100100xx97x1xx 皮膚潰瘍 - - 47.54 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 - - 20.78 - -
今期、形成外科では軟部腫瘍の手術目的が多くみられました。
軟部腫瘍とは、脂肪組織、筋組織、神経、血管などの「軟部組織」と呼ばれる部位に発生する腫瘍の総称です。脂肪腫が代表例です。手術を行う場合は、傷跡も綺麗になるように工夫を行います。
2番目に多かったものは、蜂窩織炎(ほうかしきえん)です。蜂窩織炎は、皮膚の深い部分から皮下脂肪組織にかけて細菌が感染することで起きる急性の炎症性疾患です。皮膚の小さな傷から細菌が侵入することで蜂窩織炎を発症します。重症になると、入院をして抗菌薬の点滴で治療を行います。

形成外科の対象疾患になります。
切り傷、擦り傷、治りにくい潰瘍、褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕、顔面骨骨折、ほくろやあざ、脂肪種、加齢性眼瞼下垂症、睫毛内反症、陥入爪(巻き爪)、毛巣洞、先天性の変形を伴う疾患 等
症状にお困りの方は当院の形成外科にご相談ください。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎 11 27.73 16.40 0.41% 87.80
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 11 26.09 20.78 0.99% 91.50
030400xx99xxxx めまい - - 4.67 - -
050130xx9900x0 心不全 - - 17.33 - -
110310xx99xxxx 尿路感染症 - - 13.66 - -
内科で多い疾患は肺炎(誤嚥性肺炎含む)でした。当院の内科では、肺炎、尿路感染等の感染症の他、めまいや失神で来院される方、救急搬送後の患者の継続診療など幅広い診察を行っております。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎 21 42.38 16.40 0.41% 87.80
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 18 37.39 20.78 0.99% 91.50
040190xx99xxxx 胸水貯留 - - 16.20 - -
040040xx9900xx 肺癌 - - 13.41 - -
0400802299x001 肺炎 - - 9.71 - -
当院の呼吸器外科には、多くの呼吸器疾患の患者さんが入院しておりますが、肺炎(誤嚥性肺炎)の患者さんを多く受け入れていました。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼡径ヘルニア(手術あり) 10 6.10 4.54 0 70.40
060335xx99x0xx 胆のう炎 - - 11.29 - -
060380xxxxx0xx 腸炎 - - 5.55 - -
060210xx99000x 腸閉塞 - - 9.08 - -
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 - - 15.01 - -
消化器外科で1番多い疾患は、鼠径ヘルニアの手術目的の患者さんでした。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌の治療に関しては、多くの実績を持つ医師が担当しています。
胃癌に関しては、開腹での手術の他、早期胃癌に対しては、内視鏡下の手術も行っています。
内視鏡の手術なので、体表には全く傷が付かず痛みもほとんどない、身体に対する負担が少ない治療法です。
胃癌や大腸癌は健康診断や外来診療で発見される場合もあります。
大腸癌に関しても手術を行っています。
外来診療・入院診療ともに癌に対する治療は実績のある医師が対応しています。
入院治療後、当院の外来で継続して化学療法を受ける患者さんもいます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 56 27.1 77.8
重症 19 40.1 86.2
超重症 15 24.6 82.4
不明 - - -
当院の肺炎患者は中等症以上の患者がほとんどです。肺炎患者のうち、約4割が重症以上となっています。中等症以上の患者さんの平均年齢も80歳を超えており、高齢者の緊急入院も多く受け入れています。
当院での肺炎の治療は、呼吸器外科の医師を中心に多くの医師が行なうことができるため、緊急入院のケースにも対応できています。
また、高齢者の肺炎患者は多疾患を併発していることも多く、その場合は専門医と共同して総合的な治療を行なっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 35 77.2 80.8 0.41%
当院の脳梗塞の分類に入る患者さんの集計で1番多いのは、発症から3日以内の脳梗塞の患者さんでした。
急性期の治療後は、入院中にしっかりとリハビリを行い、退院後の生活を想定したサービス調整等を当院の相談員と行い、安心して退院することが出来ます。
急性期治療からリハビリ後の退院まで当院で行うことができます。
他院で急性期治療を行った患者さんの回復期リハビリテーションへの転院受入れも積極的に行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 45 3.3 58.2 0.41% 80.8
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 42 1.0 7.3 0 55.6
K0811 人工骨頭挿入術(股) 36 4.3 71 0.58% 83.4
K0462 骨折観血的手術(前腕) 32 2.6 27.5 0.08% 71.2
K0821 人工関節置換術(膝) 29 1.4 59.0 0.08% 76.7
当院の整形外科では骨折などの外傷疾患のほか、膝関節、股関節、肩や腰椎の疾患など、幅広く、それぞれ専門の医師が積極的に受け入れを行っています。
その疾患の代表の1つが、今年度5番目にある手術です。
この手術は、関節を神経のない人工物に置き換える手術です。
関節の軟骨がすり減ることで痛みが出たり、関節自体の動きが悪くなったり、歩きにくくなってきます。
人工関節置換術を行うと、痛みが取れ、関節の動きがよくなって歩きやすくなり、日常生活の質を高める治療効果の高い手術です
その他にも膝の疾患の手術実績としては、骨切り術や関節鏡下で行う実績も多くあります。
【骨切り術】
関節の機能障害や痛みが起こっているときに、骨をある部分で切り、角度を変えたり、ずらしたりしてよい形にする手術になります。骨切りをした部分には固定が必要になりますので、経過を見て固定を外す手術を行います。
※今年度2番目に多い手術(骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿、前腕)は、この骨切り術後の固定を外す手術になります。
【関節鏡下半月板切除術・縫合術】
半月板損傷の患者さんの治療方法の1つである、損傷した半月板を切除するもの、場合によっては縫合するものです。
膝の半月板損傷は、スポーツなどの外傷で起こることが多い障害で、学生の方も診療を受けられています。
【自家培養軟骨移植術(再生医療)】
当院で昨年開始した治療法になります。自家培養軟骨移植術とは、患者さんご自身の軟骨細胞を培養して欠損部分に移植する再生医療です。軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けてしまうと自然に治らない組織です。根本的な治療法がなかった軟骨欠損症に対する治療法が自家培養軟骨移植術となります。昨年開始し実績も増加傾向にあります。健康保険の適用で治療を受けることができます。

【PFC-FD™療法(血液由来の成長因子を用いたバイオセラピー)】
PFC-FD療法とは、ご自身の血液の細胞成分から血小板に含まれる成長因子を抽出し、関節内部に注射することで痛みを和らげたり、損傷部位の機能改善をめざす治療です。
PFC-FD療法の特徴
・日帰り治療:患者さまご自身の血液から抽出した「成長因子」をひじ、ひざの関節内に注射器を使って注入する治療なので、入院や手術の必要はありません。
・副作用が少なく安全:注射による一般的な痛みなどは起こる可能性がありますが、患者さまご自身の血液をもとにしたオーダーメイド治療なので、アレルギー反応等のリスクも少ないです。
※保険適用外診療のため、治療費は自己負担となります。

こちらの記事に詳細が記載されています。


整形外科の疾患の代表でもある外傷の疾患としては、高齢者の転倒等による大腿骨の骨折の手術が多く挙がっています。
1番目と3番目の手術のほとんどが大腿骨の骨折に対する手術の件数になります。1番多い手術は、骨と骨を金属でつなぐ手術です。3番目の手術は、骨折部分に人工物を入れる手術になります。

人工関節置換術、大腿骨の骨折の手術後は、当院の回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、充実したリハビリを行います。
膝関節症に行われる手術後は地域包括ケア病棟へ転棟し、退院後手術前と同じ生活が出来るようにリハビリを行って退院される方が多いです。

その他にも、上肢や肩、脊椎や腰椎の手術等様々な手術に対応できます。
外来診療、術前・術後の対応もできる、多くの専門外来も設けております。
※当院の術後の平均日数は、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟までの日数となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
全項目毎年10件未満の請求となっています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
144 134 93.06%
肺血栓塞栓症は、太ももやふくらはぎの筋肉の層にある静脈(下肢深部静脈)に血栓ができ、 その血栓が何らかの拍子に肺に到達して発症します。突然発症し、呼吸困難や胸痛、 ときには心停止をきたす危険な病気です。
血栓ができる主な原因は足の血流が悪くなることですが、
・手術時あるいは手術後
・下肢、脊椎の骨折で自由に動けないとき
などは血栓ができやすくなります。
肺血栓塞栓症の予防には、その原因となる下肢深部静脈血栓症を予防することです。当院では、手術の内容、患者さんの状態からガイドラインに沿ったチェックリストを用いて、患者さんに適した予防策をとらせていただいています。予防方法は以下の3つになります。
・弾性ストッキング
・間欠的空気圧迫法
・抗凝固療法
今年度は肺血栓塞栓症予防に該当する症例が144件、そのうち予防策の実施が134件、実施率93.06%でした。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
75 36 46.7%
感染症治療では抗菌薬の投与が必要になります。抗菌薬の選択のために必要な判断材料の1つに「培養検査」があります。培養検査は、感染症の原因となる細菌を知るために行う検査です。培養検査には色んな種類があり、その中の1つである血液培養の2セット実施率は46.7%でした。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
51 32 62.7%
抗菌薬(細菌感染症の治療薬)には様々な種類があります、抗菌薬の効果が期待される細菌の種類が少ないものから多いものまで様々です。この効果が期待される細菌の種類が多いものを「広域スペクトル」と言います。効果が期待される細菌の種類が多いことはいいことですが、広域スペクトルの抗菌薬を使用することで「耐性菌を作りやすい」という反面もあります。抗菌薬投与では、なるべく耐性菌を作らないように、かつ、治療効果が高いと期待される抗菌薬の選択が必要です。抗菌薬の選択のために必要な判断材料の1つに「培養検査」があります。自施設での広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は62.7%でした。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
34987 207 5.92%
今期の実績は5.92%でした。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
34987 4 0.11%
今期の実績は0.11%でした。

転倒転落の当院の対策です。
①入院時に転倒転落アセスメントシートを用いて、個々の患者さんのADLや精神状態及び服用している薬などから予測される危険をアセスメントします。
②①の危険度及びアセスメントした予測される危険をスタッフ全員が認識します。
患者様またはご家族様に入院生活の状況等充分な情報提供をおこない、協力して事故防止に努めています。
ですが、起こってしまった転倒転落に対しては速やかに対応をしています。患者さんの状況確認、主治医の診察、ご家族様への報告、受傷後の十分な経過観察を行っております。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
150 147 98%
手術開始前に抗菌薬を投与することで、感染を引き起こす細菌の増殖を抑制し、手術部位感染(SSI)のリスクを低減させます。SSIを予防することで、入院期間の延長を防ぐことができます。投与のタイミングとしては、抗菌薬の種類にもよりますが、ほとんどの場合が手術開始の60分前までが理想とされています。これは、薬剤の効果が発揮できる状況を手術が開始される時点で維持するためです。
当院の手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は98%でした。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
33912 44 0.13%
褥瘡の重症度を評価するスケールである「DESIGN-R2020」における、深さ(Depth)の分類で「真皮までの損傷」がある状態を指します。褥瘡d2は、浅い褥瘡に分類され、具体的には、水疱やびらん、浅い潰瘍などがみられます。
当院の褥瘡予防策は、体圧分散寝具の使用、体位交換、栄養管理等患者さんに合わせた対策を行っています。それでもできてしまった褥瘡は、形成外科医を中心とした褥瘡対策チームが主導となり治療を行っていきます。
当院の今期のd2以上の褥瘡発生率は0.13%でした。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
902 296 32.81%
栄養アセスメントとは、管理栄養士等の専門職が患者さんの栄養状態を詳細に評価することを指します。身長体重といった身体組成分析、臨床検査、身体機能、利用・食事歴、現病歴・既往歴、環境等の項目から総合的に評価します。
入院後、栄養スクリーニングは全患者行っておりますが、入院後48時間以内に実施された栄養アセスメント実施割合は32.81%でした。
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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
34987 1236 3.53%
身体拘束は、患者の安全確保、治療上の必要・安静・安定感・安心感のために必要最低限に行います。
当院では、まず看護師によるアセスメント、その後医師を含めたカンファレンスが行われます。抑制が必要とされる原因について検討、原因の除去、抑制具に変わる他の方法の検討が行われます。それでも制御不可能な場合は抑制具使用の判断を医師が行います。
今期の当院の身体的拘束の実施率は3.53%でした。
更新履歴
2025.9.30
令和6年度病院指標公表しました